スポーツのリスク を管理する
スポーツは形のない商品である。商品は選手という人間であり、チームである。
だからこそ、魅力的なときもあるし、悪魔になるときもある。
スポーツに潜むリスクとは。これをしっかり管理していかないと営業努力が無駄になる。
スポーツでいう攻撃も大事だけど、守備もしっかりしようね、というお話。
選手との関係
スモールチームでよく起こる問題は、選手と監督のもめごと。
スモールチームでは選手も比較的若い選手が多いため、監督やスタッフと口論になり、そのことが外部に漏れてしまうリスクが潜んでいる。
実際に選手がスタッフに暴言を吐き、選手の契約破棄を巡ってクラブ経営者と地域の企業の社長がもめてしまう出来事を経験した。
こういったことはチームの商品イメージを落とすし、スポンサーセールスにも悪い影響を与える。
忙しい中でも、監督やコーチ陣とのコミュニケーションを密にし、日々選手の情報を共有することが必要である。
ファン・サポーターとの関係
チームの応援してくれるファンやサポーターとの関係構築は大切な過程となる。
ファン・サポーターから応援を集められない、もしくは選手の応援のみで、スモールチーム全体の応援を得られない場合は、必ずその評判はスポンサー企業にも伝わるし、スポンサーセールスがうまく進むことはない。
特に、選手の契約更改のシーズンには注意を要する。
サポーターにとっては、応援する選手が退団することほどつらいことはない。退団の悲しみがそのまま球団やチームの批判につながるケースもある。
特に、選手が契約満了になって毎年入れ替わる状況については、スモールチームのファンは不慣れな部分も多く、このあたりのリスクマネジメントはチーム全体にとっても大切なことである。
私も経験上、契約シーズンに、サポーターの理解が得られず苦しんだことがある。昨日まで応援してくれていたファンやサポーターがある日を境に、一斉にチームの非難に回ることがあるという恐怖はスポーツクラブのリアルとして覚えておいたほうがいい。
スポンサー企業への配慮
スモールチームは地方に存在することが多いから、その地方での企業のポジションや業界を十分に把握したうえでセールスを行うこと。
その土地の最大手と2番目の企業に営業をかけていく際、最大手から話を持っていくことがリスクマネジメントになる。
地方では営業する順番を間違えたことで、最大手がへそを曲げて、チームの応援をしないケースも実際にあると聞いている。
地方の経済界のネットワークは狭く密なため、情報はある程度共有されているといった認識で、物事に取り組む必要はあるだろう。
選手の管理
選手のマナー、挨拶への指導は大切な仕事。監督やコーチなどと分担する部分はあるが、商品力を上げるためには必要なこと。
スクール生やイベントでの子どもへの対応など、目立つ存在だからこそのマナーの重要性も大切になってくる。
またSNSなどの情報発信も、チームの活動方針を伝え、それに則った運用を指導したい。
メディアとの関係
メディアは味方にもなるし、ときには敵にもなる。
メディア関係者との定期的な意見交換はチームを運営する上でも大切なことだし、関係者を味方につけることで良い方向に報道してくれたり、大きく取り扱ってくれたりするため、チームの露出拡大には大切だ。
新聞やテレビで活躍が取り上げられれば、また周囲の見る目も変わってくるし、スポンサー企業としても露出機会が増えるわけで、大切に扱いたい利害関係者のひとつである。
このテーマで記したことはスポーツの商品力を保持するために必要なことである。
スポンサー獲得が、チームや選手の管理までとなると大変な仕事だが、ここまでやり通さないと、企業の協力も得られない。