スポーツ 基本 計画

スポーツを学ぶ

スポーツ基本計画 からスポーツの未来を探る

スポーツ基本計画 からスポーツビジネスの種を探る

スポーツで飯を食べていきたいが、どのようにしていいか分からない。そんな方多いと思います。

とりあえず、スポーツの専門学校にいくか。そんな方も多いと思いますが、そんな思いでは長続きしません。

スポーツで飯を食べたい人がひとつ考えたいのは、スポーツの未来がどうなるかってこと。この未来がわかれば、自分の持っている能力がどこかで生かせないか、次はそんな作業になってきます。

ここで一歩ずつ進んでくるわけです。

スポーツの未来を知るために、手掛かりのひとつ。それは日本のスポーツ基本計画を読むことです。詳しくは順に説明していきますが、ちょうど今回、第2期計画(平成29年度~平成33年度)が作成されました。

スポーツ基本計画からスポーツビジネスの種をぜひ探してみてください。

スポーツ基本計画 国が今後5年間に力を入れる分野

スポーツ参画人口の拡大と人材育成

【政策目標】
ライフステージに応じたスポーツ活動の推進とその環境整備を行う。その結果として,成人のスポーツ実施率を週1回以上が 65%程度(障害者は 40%程度),週3回以上が 30%程度(障害者は 20%程度)となることを目指す。

現状では、成人の週1回以上のスポーツ実施率は 42.5%(障害者は 19.2%),週3回以上のスポーツ実施率は 19.7%(障害者は 9.3%)(平成 28 年度現在(障害者については平成 27 年度現在))だそう。今後はガイドラインやスポーツプログラムを策定し、地方公共団体やスポーツクラブとともに充実を図っていく。

スポーツ環境の基盤となる「人材」と「場」の充実

ここではスポーツの人と仕事について書かれています。

・アスリートのセカンドキャリアの充実

・運動部活動の外部スポーツ指導者の導入

・学校・地域・スポーツのクラブをかけ持つことでのスポーツ指導員の職の確立

日本全体の働き方改革の一般で、教師の部活動への外部委託は時代の逆らえない流れ。部活動の外部委託が本格化すればスポーツ選手のセカンドキャリアなど、スポーツで飯を食う人材は確実に増える。

スポーツは押し付けではない。スポーツを強制すると、すぐに反発される。スポーツは楽しいもので、人に選ばれるスポーツサービスを提供することが求められる。

総合型地域スポーツクラブの質的充実

住民が種目を超えてスポーツを「する」「ささえる」仕組みとして,総合型クラブが持続的に地域スポーツの担い手としての役割を果たしていくため,クラブ数の量的拡大から質的な充実により重点を移して施策を推進する。
このため総合型クラブの登録・認証等の制度を新たに構築するとともに,総合型クラブの自立的な運営を促進する環境を整備する。
さらに,地域に根ざしたクラブとして定着していくため,総合型クラブによる地域の課題解決に向けた取組を推進する。

総合型スポーツクラブはこれからは自然淘汰となる。助成金を当てにせずに自主運営が求められるステージに。

平成28年7月現在で,総合型クラブは3,586クラブが,全市区町村 80.8%に育成されており,会員数は全国で約 130 万人以上である。
・ 自己財源率が 50%以下のクラブが 43.5%,PDCAサイクルが定着していないクラブの割合は 62.1%である。(平成 27 年度現在)
・ 行政と連携して地域の課題解決に取り組んでいる総合型クラブの割合は 18.4%(平成 27 年度現在)。総合型クラブの認知度は 31.4%(平成24年度調査)である。総合型クラブが地域から求められる役割を果たし地域に定着していくことが課題となっている。

文部科学省は平成7年から総合型スポーツクラブのモデル事業を実施し、スポーツの普及と育成に取り組んでいます。
20年以上たった現在においても、自己財源率が50%以下のクラブが半分もある事実は、ビジネスの世界であれば失敗。

総合型スポーツクラブのマネージャーとも話すことはあるが、やはり助成金や補助金に慣れてしまっていて、自ら事業をつくるマインドに乏しい印象を受ける。人材が少なくスタッフ間の競争原理がなく、雰囲気が緩い。いくら国から指導や成功事例を学んだところで経営者のマインドを変えることは難しいと考える。

これから参入を計画する団体からすれば、一から始めるのではなく、疲憊した既存のクラブで事業停止を考えているクラブを救済する形で一気に総入れ替えしながら参入する方法も可能性としてはある。

スポーツ施設の改善について

国は,我が国のスポーツ施設の 60%強を占める学校体育施設について,社会体育施設への転用や,担い手や利用料金設定等の開放事業の運用の在り方に関する手引の策定を行い,既存施設の有効活用を促進する。

新しくスポーツ施設を建てる時代ではない。既存の施設をどう活用するかの時代である。実際に転用している体育館もあり、検索すればたくさんでてくる。補助金を使って新しく建てる流れではないことは間違いなさそうだ。

地方公共団体は,国による先進事例の情報提供や技術的支援等を踏まえ,スポーツ施設の新改築,運営方法の見直しにあたり,コンセッションをはじめとしたPPP/PFI等の民間活力により,柔軟な管理運営や,スポーツ施設の魅力や収益力の向上による持続的なスポーツ環境の確保を図る。

簡単に言えば、自治体が持っている施設を民間に委託すること。刑務所や水道業務などさまざまな行政の業務を、その分野で得意な民間の会社に委託している。

セコムは山口県の刑務所を運営している。

 

大学スポーツの振興

アメリカの大学スポーツの市場規模は、メジャーリーグよりも大きい。本当? プロスポーツより大きいなんてどんな運営をしているのだろう。興味深いです。

アメリカの大学スポーツは下記の記事に詳しいです。一度読んでみてください。ビジネスとして確立していますね。注目度が高まれば、選手のモチベーションも違いますし、ビジネスとしての投資もできます。学生も生のビジネスを学べるし、教授も研究対象にしてより高度な研究ができ、OBの力などもあり資金も集まりやすい。本当に可能性があるかもしれません、大学スポーツに。

THE SPORTS BUSINESS ここまでするかアメリカスポーツビジネス
http://thesportsbusiness.jp/archives/1217

大学スポーツの分野では、日本も目指すはアメリカ!

国は,大学及び学生競技連盟等を中心とした大学横断的かつ競技横断的統括組織(日本版NCAA)の創設を支援することにより,大学スポーツ振興に向けた国内体制の構築を図る。

大学のスポーツ資源(学生,指導者,研究者,施設等)の活用は,国民の健康増進や障害者スポーツの振興に資するとともに,経済・地域の活性化の起爆剤となり得る。また,「みる」スポーツとしても潜在力がある。

スポーツを通した健康増進

国民医療費が年間約 40 兆円に達している中,様々なスポーツによる医療費抑制の取組や研究成果が存在している。

国は,スポーツによる健康寿命延伸の効果について,エビデンスを収集・整理・情報発信し,社会全体に普及する。

スポーツを通して健康なシニアを増やし、医療費や介護保険料を減らすこともスポーツの大きな役割だ。医学的な証拠に基づいたプログラムの開発や展開はさらに大きなマーケットを形成するものだと思う。総合型スポーツクラブなどもっとこの分野で、地域のシニア層を取り込んでもいい。

スポーツを通じた女性の活躍促進

サッカーワールドカップで男子は優勝できないが、女子は優勝した。
フィールドホッケーの分野でも、ずっと前から男子では勝てないから、女子を強化するといわれ続けて女子が一躍有名になった。

ホッケー女子 さくらジャパン http://www.hockey.or.jp/sakura/

国は,女性特有の課題に着目した調査研究や医・科学サポート等の支援プログラム,戦略的な強化プログラムやエリートコーチの育成プログラム等を実施し,得られた知見を中央競技団体等に展開することにより,女性トップアスリートの競技力向上を支援する。

特に、団体競技で世界レベルで日本が勝つには、女性のほうが可能性が高いものかもしれない。

スポーツの成長産業化

スポーツ市場を拡大し,その収益をスポーツ環境の改善に還元し,スポーツ参画人口の拡大につなげるという好循環を生み出すことにより,スポーツ市場規模 5.5兆円を 2020 年までに10兆円,2025年までに 15 兆円に拡大することを目指す。

プロスポーツリーグの市場規模は欧米と比較して極めて小さく,とりわけ,国内の主要なプロスポーツリーグである野球,サッカーにおいては,世界のトップリーグと比べて,20 年前はその差は小さかったものの,現在ではそれぞれ約3倍,約5倍といった差が生じている。

プロスポーツの世界。放映権の生かし方で日本と世界に大きな差が開いてしまった。

JリーグではDAZNと大型の契約を結び、サッカービジネスの改革に着手したところだ。

ネットでの配信も活発化し、放映権が高騰してきてます。

スポーツを通じた地域活性化

スポーツツーリズムの活性化とスポーツによるまちづくり・地域活性化の推進主体である地域スポーツコミッションの設立を促進し,スポーツ目的の訪日外国人旅行者数を 250 万人程度(平成 27 年度現在約 138 万人),スポーツツーリズム関連消費額を 3,800 億円程度(平成 27 年度現在約 2,204 億円),地域スポーツコミッションの設置数を 170(平成 29 年1月現在 56)に拡大することを目指す。

スポーツと観光は調和できる。私もまさしくこの分野にいる。チームとファンの移動・宿泊は大きな市場である。

地方公共団体は,総合型クラブ及び地域スポーツコミッション等と連携し,国による先進事例の調査・分析と普及を通じて,住民の地域スポーツイベントへの参加・運営・支援や地元スポーツチームの観戦・応援などにより,スポーツによる地域一体感の醸成と非常時にも支え合える地域コミュニティの維持・再生を促進する。

最後に

スポーツビジネスの世界も、時代の流れをうまく読み取りながら、舵をきっていく必要があります。

スポーツ基本法は国の今後のスポーツのあり方を示しています。

今回ブログに示したのはほんの一部で、私の興味にひっかかった部分です。ほかの人が読めば、きっとほかの部分に注目するでしょう。

ここからもっと掘り進めて考える必要はありますが、まずはスポーツ基本計画を読んで、全体の流れをとらえてみてください。

スポーツ基本計画はこちらからご覧いただけます。
http://www.mext.go.jp/prev_sports/comp/a_menu/sports/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/03/23/1383656_002.pdf

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